ら・び・あん・ろ~ず

ちょっと古い IT やらガジェットやらのよもやまごとをつぶやきます。

docomo L-03F

docomo L-03F [Black]

docomo L-03F [Black]

  • メディア: エレクトロニクス

2014年発売の USB 接続 LTE 対応携帯通信端末です。LTE 通信時、下り最大 150MB/s 上り最大 50MB/s (20MHz幅)*1の対応です。修理対応は 2020年3月末で終了します。

製品短評

Yamahaルーターのモバイルインターネット接続機能の対応携帯端末のうち、docomo 製で比較的新しいものを選択すると、これになります(たぶん)。
USB モデムは、WiFi ルータと違って 500mA 程度*2の給電ですみます*3し、ケーブルで接続する必要もありません*4WiFi や Blutooth を使わないので 2.4GHz 帯の混雑とも無縁です。はりだしが大きいことをさておけば、なかなか良い選択です。

Yamahaルーターで遊ぶには

モバイルインターネット接続機能は IPv4 のみの対応です。IPv6 は利用できません。対応の携帯通信端末も新しいものはありません。いろいろ考えあわせて、遊ぶなら今のうちです。
モバイルインターネット接続機能に対応した Yamahaルーターでは、EoL が過ぎている NVR500 や RTX810 あたりが Amazon で1万円以下で買えてお手頃です。

www.rtpro.yamaha.co.jp

RTX810 では、Web UI からは WAN インターフェースとして利用できます。 対応携帯端末には PP インターフェースとしても利用できることになっているのですが、その場合は、コマンドで対応する必要がありそうです。
また、RTX810 の USB ポートの給電能力は最大 500mA となっている*5ので、L-03F の最大帯域を使いきるような使い方はしない方がよさそうです。

ヤマハ ギガアクセスVPNルーター RTX810

ヤマハ ギガアクセスVPNルーター RTX810

  • 発売日: 2011/11/05
  • メディア: Personal Computers

Windows で利用するには

L-03F は Windows のモバイルデータ通信機能に対応しています。ドライバのみインストールしてもデータ通信はできます。
ファームウェアの更新や動作モードの変更には L-03F Connection Manager が必要です。L-03F Connection Manager は Windows/Mac 専用です。

www.nttdocomo.co.jp

L-03F 自体が初期状態であれば、インストール媒体不要のゼロインストールで L-03F Connection Manager やドライバが導入されます。

Linux で利用するには

L-03F 自身は、ゼロインストールのためにインストール媒体を提供するマスストレージデバイスとしても認識されるようになっています。
Linux で利用する場合は、事前に L-03F Connection Manager でこの機能を無効にしておくとよいようです。

qiita.com

Yamahaルーターで認識されないときは

L-03F を ルーターに接続しても USB LEDが点灯しないときは、ルーターファームウェアが L-03F に対応していない可能性があります。
リリースノートを見て対応したリビジョンにアップデートするか、最新のリビジョンにアップデートしてみてください。

www.google.com

ルーターファームウェアのアップデートは、tftp クライアントまたは microSD, USBメモリを利用します。
手元の LAN がインターネットに接続している場合は、WAN 側に仮に dhcpc を設定 LAN につなぎ、インターネット経由でアップデートすると手間がありません。

MVNO で利用するには

IIJMio の Type D micro SIM(miniUIM) で動作を確認しました。付与される IPv4 アドレスはプライベートアドレスです。

www.iijmio.jp

そのため、IPsecを使用したネットワーク型 LAN間接続VPN を設定する場合は、センター側ルータとして運用することはできません。
また、NATトラバーサルを有効にし、センター側では名前で識別するように設定しなければなりません。

network.yamaha.com

VPN が安定するまでは、PC に USB LAN アダプタを接続し有線でルーターに接続すると、センターと拠点の両方を一度に PC から操作できます。

トラブル:「エラー1547 携帯端末がマウントされていない」エラーが発生して通信端末がハングアップする

L-03F がルーターに接続されているにもかかわらず、通信が切断され、切断理由として「エラー1547 携帯端末がマウントされていない」が記録されていました。

  • 発生状況

キャリアは IIJMio。チケットなし。切断タイマの設定なし。接続時間は 31:06:06, 103:15:15, 144:31:52, 37:35:52, 36:40:16。

初回は、切断の 5秒前に通信があったことが、syslog に記録されていました。6時間後に気が付いた時には、Web GUI上では切断処理中のまま、本品の通信状態表示ランプは白色(データ通信中(データ送受信なし))でした。
2回目以降もほぼ同様の状況でした。

disconnect wan1 では、切断中のまま刺さりました。

USB ボタンを2秒押してハードウェア的に取り外し、再度認識させて復帰しました。
管理画面からUSBポートを使用禁止・使用可能でも復帰しました。

  • 検証(1)

24時間以下での発生はないため、毎日接続しなおすように設定して、経過を観察しています。
切断処理にそれなりに時間がかかるかと、再接続まで 15秒あけています。
→ 概ね切断されていませんでした。 1回 03:59:49 での発信が記録されていました。

schedule at 11 */* 03:59:45 * disconnect wan1
schedule at 19 */* 04:00 * connect wan1

  • 検証(2)

管理画面からUSBポートを使用禁止・使用可能で復帰したので、それをコマンドで追加したパターンです。
→ 白色(データ通信中(データ送受信なし))にならなくなりました。
ただ、発信履歴が2回あります。disconnect してから、no mobile use までの間隔が長すぎるようです。

schedule at 11 */* 03:59:40 * disconnect wan1
schedule at 12 */* 03:59:45 * no mobile use usb1
schedule at 13 */* 03:59:55 * mobile use usb1 on
schedule at 19 */* 04:00:00 * connect wan1

  • 現在の状況

切断からの再接続がおよそ 3 秒程度なので、取り外しをそれ未満で実行してみます。

schedule at 11 */* 03:59:48 * disconnect wan1
schedule at 12 */* 03:59:50 * no mobile use usb1
schedule at 13 */* 03:59:55 * mobile use usb1 on
schedule at 19 */* 04:00:00 * connect wan1

*1:L-03F の LTE 通信時の最大消費電流は 650mA となっています。USB 機器としてどうなのか、ということがそこはかとなく気になります。

*2:L-03F は LTE 通信時に最大消費電流 650mA となっています(再度)。

*3:クレードルで AC 給電していてもバッテリーが減っていく MR04LN のような WiFI ルーターもあります。初期出荷のクレードルの電力消費がおかしいという話もあります。

*4:ルーターとUSBテザリングで接続し、給電しつつ通信できれば良いのですが、そういうものもなさそうです。

*5:L-03F は LTE 通信時に最大消費電流 650mA となっています(三度)。Yamaha が対応していると言っているので良いのでしょうけど……。