FireOS 7 搭載の 10.1 インチタブレットです。
製品諸元
- Fireタブレットの仕様: Fire HDモデル | Fireタブレット
- Amazon 新品 \19,980.- (2021/04)
製品仕様
Features | Fire HD 10 (2021,第11世代) | Fire HD 10 (2021,第9世代) | Fire HD 8 (2020,第10世代) |
---|---|---|---|
Processor | MediaTek Kompanio 500 MT8183 | ← | MediaTek MT8168 |
Core | 4x ARM Cortex-A73, 4x ARM Cortex-A53 (2.0GHz) | ← | ARM Cortex-A53 x 4 (2.0GHz) |
Memory | 3GB | 2GB | 3GB |
GPU | ARM Mali-G72 MP3 (800MHz) | ← | ARM Mali-G52 3EE MC1 |
Display | 10.1" 1920x1200 IPS | ← | 8" 1280 x 800 IPS |
Touch | 5-point | ← | ← |
Pen | N/A | ← | ← |
Sensor | 加速度,光 | ← | ← |
Storage | 64GB + microSDXC | ← | 32GB + microSDXC |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac | ← | ← |
Bluetooth | 5.0 LE | 4.2 LE | 5.0 LE |
Port | USB-C 2.0 (Data transfer, OTG ?) | ← | ← |
OS | Fire OS 7 (Android 9) | ← | ← |
Widevine CDM | L1 | ← | ← |
Weight | 465g | 510g | 337g |
Included | Charger | ← | ← |
Price | 19,980 | 15,984 | 7,980 |
製品短評
Fire タブレットも4台目で、まあ、いつも通り、書くこともないだろうと思っていたのですが、キーボードを付けてみたところ、思いのほかいろいろメモしておきたいことができたので、記事に起こしておきます。
Amazon デバイスの Wi-Fi
Fire タブレットに限らず Amazon デバイスを購入前に、知っておいた方がよいのは Fire タブレットの Wi-Fi のことです。一般的な注意事項ですが、ご存じない方のために書いておきます。
Amazon に Wi-Fi 情報を保存すると、Fire や Kindle、Echo がその情報を使って接続します。届いたばかりの端末も Wi-Fi に接続してくれる便利な機能なのですが、問題はデバイスのサポートしている Wi-Fi の規格がまちまちだ、ということです。たとえば、5GHz の接続情報を保存すると、2.4GHz にしか対応していないデバイスもその情報を利用しようとして、Wi-Fi から切断されます。 5GHz を利用したいデバイスは、Amazon に情報を保存しないように注意してください。
さらに問題なのは、Amazon デバイスは、2.4GHz では 1-12チャネル、5GHz では W52 チャネル(36,40,44,48ch)のみだということです。2.4GHz で 13チャネルを設定されている、また、5GHz では J52・W53・W56チャネルを設定されているアクセスポイントにはつながりません。自動設定のアクセスポイントが、再起動時にすいてるからと 13チャネルを選択してしまうと Amazon デバイスが突然つながらなくなったりするわけです。最近の高性能なアクセスポイントは、動作中にチャネル変更をする機種もあるため、注意が必要です。あらかじめアクセスポイントの設定を確認してください。
Fintie Bluetooth Keyboard と FireOS
ハードウェアとしてのキーボードはよくできていると思います。ヒンジがしっかりしているのでキックスタンドの必要がなくクラムシェルのように扱えるのは新鮮です。また、キーのタッチもメンブレン的なぺなぺなした感じでもなく、小気味よくタイプできます。コンパクトキーボードにありがちな変態配列もほどほどで、2段目の数字の段のオフセットが大きいのかミスタイプが多くなりがち、ということ、また、Enter が小さく別のキーを押しがち、ということあたりに不満はないとは言いませんが、まあ、それは変態キーボードだし、と納得できる範囲ではあります。なにより、日本語配列だ、ということはそれらの欠点をカバーしてあまりあります。
その一方で、Windows のように Enter でロック画面が解除できないとか、文節ごとに確定操作が必要になったりとか、とにかく日本語入力のテンポが悪いとか、入力項目にフォーカスが移るたび IME が有効になるとか、こまごまと使いづらいところがあります。フォーカス移動のたびに IME ON の件は、英語キーボードで使っていれば気にならないところですが、日本語キーボードだとかなり使いづらいです。英数入力の項目に移動するたびに IME をオフにする必要があります。文書作成のようなタスクはともかく、通常は英数字で、コメントを書く時だけ日本語を書くコーディングのような作業にはまったく向いていません。ショートカットを確認すると、🔍(検索キー)+スペースキーで入力方法を切り替えれはするものの、ブラウザだとアドレスバーにフォーカスが移動してしまいますし、キーコンビネーションとしてはあまり使い勝手がよくありません。ここまで変な入力制御には今まで出会ったことがありません。酷いの一言です。本当に何とかならなかったのでしょうか。ハードウェアの出来がそこそこ良いだけに、FireOS の不出来が悪目立ちします。IME を提供したオムロンさん、何とかならなかったのでしょうかねぇ……。
キーボードがあると、マウスも欲しくなります。手元に Logicool M557 があったのでペアリングしてみたところ、これがすこぶる快適でした。ホイールのチルトに進む・戻るが割り当てられるため、Android のインターフェースとマッチしてなかなか便利なのです。ただし、中ボタンに反応しなかったり、FireOS のボタンやスイッチなどのウィジェットの中にクリックが反応しないものが混じっていたり、スクロールホイールイベントに対して反応しなかったり妙な反応をしたりして、それがユーザー体験の質をかなり下げています。使えば使うほどに、FireOS がどうしようもない、という印象に傾いていきます。
Amazon のことだから、ユーザ体験の大切なところほど直さないんだろうな*1、という確信のようなものがあります。あまり期待しないようにしながら待つしかできることはないのだろうなぁ、と思っています。
アプリストア
Amazon のアプリストアの品ぞろえは、正直、貧相です。実用品として使いこもうとすればするほど、だめです。Microsoft Office を推してきているから、Android のように Word, Excel, PowerPoint など一式があるのかと思いきや、Office アプリや OneNote アプリなどのいくつかだけがあるようです。いま一番の推しですら、その体たらくです。
Google Play をインストールする方法の解説ページが散見されるのも納得です。その件を含め DMM GAMES や F-Droid などのストアアプリのインストールが許されているのが、Amazon の最後の良心だとうけとっています。
PassMark PerformanceTest Mobile v10.2.1000
Benchmark | Fire HD 10 (2021,第11世代) | Fire HD 8 (2020,第10世代) |
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Model | Amazon KFTRWI | Amazon KFONWI |
Baseline | BL8055837 | BL8055843 |
System | 5336 (+214%) | 1700 |
CPU Tests | 2459 (+229%) | 748 |
Memory Tests | 12723 (+217%) | 4013 |
Disk Tests | 23558 (+16%) | 20153 |
2D Graphics Tests | 23811 (+144%) | 9772 |
3D Graphocs Tests | 16442 (+54%) | 10704 |
総評
つまるところ、FireOS は 2 in 1 にはまだ早すぎたのです。
とはいえ、値段分は楽しませていただいています。今回は Termux で code-server をインストールして、プログラミングっぽいことをしてみよう、といろいろさわっているところです。毎度、面白いおもちゃをありがとうございます。