廉価な Android 13 搭載 8.4 インチ Arm CPU タブレットです。
製品諸元
- Amazon ¥20,449.- (2024/4)
製品仕様
参考までに、Alldocube iPlay50 Pro と比較します。一部、Device Info HW の結果をもとに、メーカーのカタログスペックを変更して記載している部分があります。
Features | Alldocube iPlay50 mini Pro NFE | Alldocube iPlay50 Pro | |
---|---|---|---|
Processor | MediaTek MT8781V/CA | MediaTek MT6789V/CD *1 | |
Core (big) | 2x ARM Cortex-A76@2.2GHz | ← | |
Core (LITTLE) | 6x ARM Cortex-A55@2.0GHz | ← | |
Memory | 8GB LPDDR4X | ← | |
GPU | ARM Mali-G57 MC2 | ← | |
Display | 8.4" 1920x1200 IPS 60Hz | 10.4" 2000x1200 IPS 60Hz | |
Display (Ratio) | Not reported | 5:3 | |
Display (Brightness) | 320cd/㎡ | 300cd/㎡ | |
Display (Density) | 324 (extra-high-density) | 272 (high-density) | |
Touch | 10-point | ← | |
Storage | 256GB UFS2.2 | 256GB UFS2.1 | |
Storage (External) | microSDXC (up to 512GB) | microSDXC (up to 2TB) | |
SIM slot | 1x nano SIM, 1x nano SIM/micro TF | ← | |
Mobile 2G (GSM) | B2/3/5/8 | ← | |
Mobile 3G (W-CDMA) | B1/2/5/8 | ← | |
Mobile 3G (TDS-CDMA) | N/A | B34/39 | |
Mobile 4G (FDD) | B1/2/3/5/7/8/20/28AB/66 | B1/2/3/5/7/8/20/28AB | |
Mobile 4G (TDD) | B38/39/40/41 | ← | |
Wi-Fi | 802.11ac/a/b/g/n | ← | |
Bluetooth | 5.2 | ← | |
FM | Supported | ← | |
Camera | Front 5M/Rear 13M | Front 5M/Rear 8M | |
Speaker | 1 | 2 | |
Microphone | Supported | ← | |
Location | GPS/Beidou/Galileo/Glonass | ← | |
Sensor | Gravity | Gravity, Light | |
Vibration | Supported | None | |
Port | USB-C 2.0 (OTG, 充電対応, データ転送), ヘッドフォン | USB-C 2.0 (OTG Manager/Host, 18W 充電対応, データ転送), ヘッドフォン | |
OS | Android 13 | Android 12 / 13 | |
Widevine CDM | L1 | L3 | |
Battery | 3.8V / 5000mAh | 3.8V / 6000mAh | |
Size | 202.7 x 126 x 7.5 mm | 248 x 158 x 8.4 mm | |
Weight | 306g | 466g | |
Included | Charger(5V 2A) | ← | |
Price | 20,449 | 22,649 |
製品短評
8 インチクラスの一回り小さい画面に Helio G99 を搭載したミドルローレンジの Android タブレットです。
8 インチクラスの Android タブレットは、長い間 1万円前後の Allwinner や MediaTek MT8169 などのローエンド SoC を採用した WiFi タブレットが日本では主戦場でした。アッパーミドルからハイエンドは Apple iPad が強すぎて、Android タブレットは太刀打ちできず、Galaxy Tab かその他の Snapdragon 8 シリーズを採用したモデルがたまに輸入され、細々と商うような、そんな状況でした。
Helio G99 搭載の 8インチタブレットはその上下の隙間にもぐりこんだニッチ商品になります。2019 年からこちら、Unisoc T6xx シリーズが担っていたミドルローの 10インチタブレット市場が飽和してきたのも一因でしょう。
Alldocube は 2023 年の秋のモデルチェンジで、Android は 13 に、NFE バージョンは Widevine L1 に変更されました。本機もそのひとつです。
8 インチクラスのタブレットは、縦置きが基本のレイアウトです。フロントカメラは短辺に、ボタン類は長編にあります。スピーカーは下になります。画面周りの額縁の太さは 10 インチクラスのタブレットである Alldocube iPlay50 Pro とあまり変わらないせいで、少し画面が狭く感じます。 あらかじめ貼ってくれているフィルムは指の滑りが悪く、指紋跡も目立つので、貼り換えを前提にしたほうが快適に操作できるでしょう。
本機と iPlay50 Pro のカタログスペックは似通っています。ですが、細かく比較してみると、ところどころ削られている部分があります。
たとえば、SoC はおなじ Helio G99 シリーズですが型番は異なっていて、そのせいかどうかは定かではありませんが、PassMark のスコアも価格の下落と同じかそれ以上に落ちているように感じます。
iPlay50 Pro と本機の PassMark のスコアを比較してみると、CPU は 5% 程度、メモリは 10% 程度、GPU は 10% 弱程度のスコアの下落が見られます。UFS もカタログ上対応規格はあがっているものの、半年以上使い込んだ iPlay50 Pro よりもやや落ちるスコアです。
カタログスペックを比較してみると、スピーカーの数がひとつになっていたり、光センサーがなくなっていたり、MicroSDXC の最大が 512GB になっていたり、TDS-CDMA 対応バンドがごそっとなくなっていたり、充電が 10W になっていたりと、いろいろ削られています。
また、ディスプレイの密度が iPlay50 Pro よりもさらに上がって報告されることから、アプリケーションによっては、画面の小ささ以上に表示される情報量が減ります。確かなことは言いづらい*2のですが、タブレットというよりは、スマートフォンとして認識されることが多くなっています。こればっかりは、実際に使ってみないとわからないところではあります。Android 13 では、システムのディスプレイ設定でディスプレイサイズ・フォントサイズも調整できるようになってはいますが、限界はあります。
なお、スクリーンタイムアウトに無制限が選択できるようになっているのは、よいところです。顔認証などがなくタイムアウトに上限がある iPlay50 Pro は、PIN の要求頻度が高くなっていたので、このセキュリティの緩和は素直に喜べます。また、バイブレーションが追加され、リアカメラが少しアップグレードされています。
本機は、これらの点を飲み込んだうえでも、小さく少しでも軽いほうがよく、また、少しでも性能の良いものをお手ごろな価格で、という人のための選択肢です。Fire HD 8 などの廉価帯 WiFi タブレットからのアップグレードであれば、ディスプレイの精細さも相まって、満足いく買い物になるでしょう。
ただ、据え置きで使うなら 10 インチやそれよりも少し大きく、音もよいものが同価格帯で販売されています。Widevine L1 の恩恵も、それらの大型のタブレットのほうが享受できるのではないでしょうか。
モバイル通信対応バンド
モバイル通信の国内のバンドを Wikipedia をベースに一覧表にまとめてみました。
対応方式の削減やバンドの追加はありましたが、日本国内の使用では特に影響はありません。
iPlay50 mini Pro NFE | Network | Band | MHz | NTT | KDDI | Softbank | Rakuten |
---|---|---|---|---|---|---|---|
レ | 3G W-CDMA | B1 | 2100MHz | レ | レ | ||
3G W-CDMA | B6 | 800MHz | レ | ||||
レ | 3G W-CDMA | B8 | 900MHz | レ | |||
3G W-CDMA | B19 | 800MHz | レ | ||||
レ | 4G FDD | B1 | 2100MHz | レ | レ | レ | |
レ | 4G FDD | B3 | 1800MHz | レ | レ | レ | レ |
レ | 4G FDD | B8 | 900MHz | レ | |||
4G FDD | B11 | 1500MHz | レ | レ | |||
4G FDD | B18 | 850MHz | レ | ||||
4G FDD | B19 | 850MHz | レ | ||||
4G FDD | B21 | 1500MHz | レ | ||||
4G FDD | B26 | 850MHz | レ | ||||
AB | 4G FDD | B28 | 700NHz | レ | レ | レ | |
4G TDD | B42 | 3500MHz | レ | レ | レ | ||
5G | Sub6 n3 | 1800MHz | レ | レ | |||
5G | Sub6 n28 | 700MHz | レ | ||||
5G | Sub6 n40 | 2300MHz | レ | ||||
5G | Sub6 n77 | 3700MHz | レ | レ | レ | ||
5G | Sub6 n78 | 3500MHz | レ | レ | |||
5G | Sub6 n79 | 4700MHz | レ | ||||
5G | MM n257 | 28 GHz | レ | レ | レ | レ |
PassMark PerformanceTest Mobile v10.2.1002
DuraSpeed の設定などは特にしていない状態です。
Benchmark | Alldocube iPlay50 mini Pro NFE | Alldocube iPlay50 Pro |
---|---|---|
Model | iPlay50_mini_Pro | iPlay50 Pro |
Baseline | BL8082068 | BL8082067 |
System | 9,266 | 9,785 |
CPU Tests | 4,451 | 4,690 |
Memory Tests | 14,597 | 16,218 |
Disk Tests | 107,070 | 108,347 |
2D Graphics Tests | 21,168 | 21,112 |
3D Graphocs Tests | 20,217 | 21,049 |
ファームウェアのオフラインアップデート
ファームウェアのオフラインアップデートは SP Flash Tool を利用します。ファームウェアをオフラインで更新するとすべてのデータが失われるので、購入直後に新しいファームウェアが出ていないかを確認しておくことをお勧めします。
更新手順は、ファームウェアのページに掲載されている Tutorial ボタンから参照できます。
購入時の iPlay50miniProNFE(T811MAN)_EN_20240222 でした。
*1:List of MediaTek systems on chips - Wikipedia
*2:Device Info HW で眺めても、何が大きな影響が与えているのかはわかりません。