ら・び・あん・ろ~ず

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NETGEAR ギガビット 8ポート スイッチングハブ

NETGEAR は、最近、家電量販店でも購入できる業務用のネットワーク機材ベンダーです。たかだか8ポートのハブでもラインアップが充実しているのでどれを選んでよいのか迷う方もおられるかもしれません。すべて購入して確認したわけではありませんので、不正確なところもありますが、簡単に解説します。

型番

メーカー型番と製品の Model / Version があります。NETGEAR のホームページで製品サポートを探す場合は Model / Version の方が主になります。
また、メーカー型番は分解すると「Model - Version 仕向国」となっているようです。Amazon など通販サイトで購入しようとする場合は、バージョンと仕向国に注意してください。必ずしも最新でないもの、日本向けではないものが販売されている場合があります。

  • 型番の例

メーカー型番: GS108-400JPS
Model / Version: GS108v4

アンマネージド・スイッチ - NETGEAR GS108

単純なスイッチング・ハブです。
金属筐体+ACアダプタ(横型)構成です。

アンマネージド・スイッチ(3年保証) - NETGEAR GS308

NETGEAR 製品は、基本は1年保証、購入から1年以内にユーザ登録すると本体についてはライフタイム保証になります。その分、価格も少々高くなるため、3年保証とし、その分安価に設定されたエディションです。本体機能はベース製品と同等です。

アンマネージド・プラス・スイッチ - NETGEAR GS108E

ユーティリティから管理できるスイッチング・ハブです。管理できない(アンマネージド)だけど設定できるあたりがプラスたる所以です。v2 までは Adobe Air アプリでの設定に対応していました。v3 から Web インターフェースが追加になっています。言語の切り替えは、ファームウェア書き換えになりますので、必ず利用する国向けの製品を購入するようにしてください。
金属筐体+ACアダプタ(横型)構成です。

アンマネージド・プラス・スイッチ(PoE 給電ポートあり) - NETGEAR GS108PE

Power on Ethernet 給電ポートを備えるスイッチング・ハブです。

アンマネージド・プラス・スイッチ(タップ型) - NETGEAR GSS108E

Web から管理できるスイッチング・ハブです。
プラスチック筐体で電源一体型です。USB 充電ポートがついてます。

アンマネージド・プラス・スイッチ(タップ型, PoE 給電ポートあり) - NETGEAR GSS108EPP

タップ型で Power on Ethernet 給電ポートを備えるスイッチング・ハブです。
GSS108E と比較すると、金属筐体になりますが、USB充電機能はなくなります。

スマート・スイッチ - NETGEAR GS108T

LACPによる動的リンク・アグリゲーションなどかなり多機能なWebから管理できるスイッチング・ハブです。集中管理できないので"マネージド"ではありませんが、アンマネージド・プラスより機能は大幅に強化されています。
金属筐体+ACアダプタ(横型)構成です。PoE受電できます。
NETGEAR の8ポートスイッチング・ハブのラインナップの中で自動LAG(LACP)が構成できるのはこれだけです。手動LAGは GSS108EPP でも構成できます。

トラブルなど

ユーティリティが動作しない。

ユーティリティと一緒にインストールされる Adobe AIR ランタイムはバージョンアップしないでください。脆弱性が気になる場合は、使用後アンインストールをおすすめします。
スマート・スイッチのユーティリティは、ハブを発見するだけなので、初回発見後、固定IPを設定すればユーティリティは必要ありません。

PlayStation3 をアンマネージド・プラス・スイッチやスマート・スイッチに接続しても有線 LAN が検出できない。

PlayStation3 は有線 LAN ポートを使用していないと、電源を落とす仕様になっています。有線 LAN を検出する際に電源をオンにするのですが、電源オンからかなり短い時間でリンク検出を行うため、スイッチ側のリンク検出~電源オンが間に合わないことがあるようです。
そういった用途には、アンマネージド・スイッチをおすすめします。

スマート・スイッチに LLDP を設定しても Windows 8 から発見できない。

一般的には、Windows 8 の LLDP は Skype 用なので、そんなものです、という認識のようです。
Linux の lldpcli などから確認するようにしてください。

ジャンボ・フレームのサポートは 9K (9216 バイト)です。

アンマネージド・スイッチの場合は既定で、スマート・スイッチの場合は設定すると、ジャンボ・フレームをサポートします。
Windows ファイル共有で転送速度が 100MB/s あたりで頭打ちしている場合、経路上のスイッチング・ハブと NIC の双方にジャンボ・フレームを設定すると、理論上限の 128MB/s に近い速度が出る場合があります*1*2

スイッチの CLI について。

CLI が必要な場合は、マネージドスイッチを選択してください。

*1:対向に64ビット版 Windows 7, Intel Network Adaptor (9K のサポート)の環境で、ほぼ上限のスループットが出ました。

*2:ジャンボフレームを設定する際、SMB2 Client Disable Large MTUを無効にする必要がある場合があります。また、https://technet.microsoft.com/en-us/library/cc957539.aspxを有効にしないと、他の機器との通信に問題が出る可能性があります。