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Marvell社製 88SE9130搭載 SATA3x2 インターフェースボード(PCI-Express x1接続)

PCI Express 2.0 バス x1 接続の SATA3 RAID カードです。

製品短評

2017年現在、オンボードバイスの方が基本的に高性能なのに、わざわざ拡張スロットを埋めたいと思う Windows 8 以前のOSをお使いの奇特な人以外には、あまり使い道がないと思われる製品です。ただ、SATA3 の廉価帯だと他にあまり選択肢がありません。

搭載チップの Marvell 88SE9130 は2011年のリリースのようです。SATA, SATA2 に比べればましですが、それなりに古い製品だということを理解して使用する必要があります。
仮想ボリュームはRAID0, RAID1, HyperDuo の3タイプ。最小構成でディスクは2台必要です。RAID0の1台構成には対応していません。また、JBODにも対応していません。SSD+HDD以外で異なる容量のディスクを接続する際は注意が必要です。
HyperDuo はSSDをHDDのライト・スルー・キャッシュとして使う構成です。Crystal Disk Mark で簡単に確認してみたところ、今時のオンボード SATA3 と比較して、シーケンシャル・リードは1/10、シーケンシャル・ライト/ランダム・リート/ランダム・ライトは同性能と、ほぼほぼ効果は期待できません。
仮想ボリュームの構成は、拡張BIOS、または、Marvell Storage Utility(MSU) で行います。
拡張BIOSへは、起動時に CTRL+M で入ります。MSU は添付の CD-ROM からインストールします。GUI が必ずインストールされるものの、シンプルなインターフェースの CLI もインストールできます。
Windows 上で仮想ボリュームを構成できるため、便利な MSU GUI ですが、Apache + PHP のかなり古い構成のままバージョンアップもされていないようなので、脆弱性が心配です。必要なとき以外は停止しておくか、拡張BIOSで構成できる場合は、アンインストールしておいた方がよいでしょう。

トラブルなど

接続したディスクが認識されない

この製品は、RAID カードです。仮想ボリュームを構成しないとOSからディスクは認識されません。
SATAカードのようにディスクを接続したら認識されるわけではありません。

OSの反応が鈍い

Microsoft Winodws 7 64ビット版で HyperDuo(Safe) ボリュームにページファイルを配置するとスローダウンが発生しました。シーケンシャル・リードが極めて遅いことが原因でしょう。HyperDuo ボリュームにはページファイルを配置しない方が無難でしょう。

拡張BIOS への入り方がわからない

拡張BIOSを有効にした上で、CTRL+Mを連打してみてください。
有効にする方法はお使いの BIOS によって異なります。BIOS メニュー内で「他のストレージデバイスからの起動を有効にする」などの項目を探してみてください。

MSU がボードを認識しない

(1) MSUのフォルダにあるドライバ(1.2.0.1041)を試してみてください。
製品サイトからダウンロードできる Windows 8用のドライバとの組み合わせでは、ボードが認識されませんでした。
(2) 再起動してみてください。
負荷がかかると設定ドライバが応答しなくなることがあるようです。一度応答しなくなるとその後は復帰しないので再起動する必要があります。

MSU で仮想ボリュームが作成できない

GUIに Guest でログインしている場合、仮想ボリュームの構成はできません。管理者権限のあるユーザでログインし直してください。

MSU GUI に管理者としてログインできない

Microsoft Windows の管理者権限のあるユーザでログインしなおしてみてください。ローカル・アカウントの Administrator ではログインできました。
ただし、 Administrators グループに所属しているドメイン・ユーザではうまくログインできませんでした。

添付CD-ROMをなくした

添付のCD-ROM(3-ALL-61C)のドライバやソフトウェアはダウンロードでは入手できません。あらかじめコピーを作成しておくなど紛失には気をつけた方が良さそうです。
ただ、添付されていたCD-ROMには、LAN, SATA他、本製品には関係ない様々な製品のデバイスドライバが含まれていました。玄人志向のユーザであれば、入手性は思いのほか悪くないかもしれません。お手持ちのCD-ROMの内容を確認してみてください。

日本語のマニュアルがほしい

他社の Marvell 88SE9130 採用製品のマニュアルがあるので、それを参考にすることができます。

Windows 8.1 以降の OS への対応

基本的に謎です。

HyperDuo ボリュームを解消したい

HDD は SATA コントローラ経由で認識できるフォーマットになっているようです。手元では、ASMedia ASM1061 コントローラでドライブが認識できることを確認しました。
なお、SSD は RAW フォーマットとなり、使用するには再フォーマットが必要でした。