ら・び・あん・ろ~ず

ちょっと古い IT やらガジェットやらのよもやまごとをつぶやきます。

ASUS RT-AX1800U

ASUS 製 5GHz 1201 Mbps, 2.4GHz 574 Mbps のエントリー WiFi 6 無線ルーターです。

製品諸元

製品仕様

参考までに、Buffalo WSR-1800AX4 と比較します。

機能 ASUS RT-AX1800U Buffalo WSR-1800AX4
CPU MediaTek MTK7621A MediaTek MT7621?
Memory 256 MB -
Storage 128 MB -
Network IPv4, IPv6 IPv4, IPv6
WAN 1 x 1000Base-T -
WAN/LAN - 1 x 1000Base-T
LAN 3 x 1000Base-T (Jumbo Frame) 3 x 1000Base-T
Antenna 4 x 外付け(2.4 GHz 2 x 2, 5 GHz 2 x 2) 4 x 内蔵(2.4 GHz 2 x 2, 5 GHz 2 x 2)
Band 2.4GHz 1~13ch 1~13ch
Band 5GHz (W52) 36/40/44/48ch 36/40/44/48ch
Band 5GHz (W53) 52/56/60/64ch 52/56/60/64ch
Band 5GHz (W56) 100 / 104 / 108 / 112 / 116 / 120 / 124 / 128 / 132 / 136 / 140 / 144ch 100 / 104 / 108 / 112 / 116 / 120 / 124 / 128 / 132 / 136 / 140 / 144ch
WiFi (Legacy) IEEE 802.11a, b, g IEEE 802.11a, b, g
WiFi 4 (11n) 20/40MHz, 最大300Mbps 20/40MHz, 最大300Mbps
WiFi 5 (11ac) 20/40/80MHz, 最大867Mbps 20/40/80MHz, 最大867Mbps
WiFi 6 (11ax: 2.4GHz) 20/40MHz 最大574Mbps 20/40MHz 最大574Mbps
WiFi 6 (11ax: 5GHz) 20/40/80MHz 最大1201Mbps 20/40/80MHz 最大1201Mbps
WiFi Security Open, WPA/2-Personal/Enterprise, WPA3-Personal Open, WPA/2/3-Personal
Mesh WiFi AiMesh EasyMesh
Router Mode DHCP, Static IP, PPPoE, PPTP, L2TP DHCP, Static IP, PPPoE, DHCPv6-PD, IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)
AP Mode
WDS Mode Open, WEP Open, WEP, WPA/2
Power Savings -
Utilities Ping, Traceroute, NsLookup, Netstat, WoL, SSH, Telnet ?
USB TYPE-A 2.0 N/A
Size 305 × 305 × 55 mm 36.5 × 160 × 160mm
Weight 364g 373g
Included Charger(12V 1.5A), RJ45 Stand, Charger(12V 1A), RJ45
Price 8,055 7,980

製品短評

ASUS RT-AX1800U は、エントリーレベルの無線 LAN ルーターです。当方の構成では、基本的に無線アクセスポイントとして利用しているため、ルーター機能および関連機能については、特にふれません。

本体サイズは、横置きのみで A5 よりも一回り大きく、かつ、外部アンテナが4本ということで、大分、場所をとります。これだけでかなり人を選ぶでしょう。また、それに見合って箱も大きくなっています。

設定は、まず、WAN コネクタに LAN ケーブルを接続します。接続したら、電源オン。起動は結構待ちます。感覚的に NEC や Buffalo の無線 LAN ルータよりもかなり遅いです。LED を見ながら、気長に起動を待ちましょう。無線の LED が点灯したらセットアップをはじめます。セットアップは ASUS Router アプリAndroid タブレットから行いました。起動後、カメラで QR コードを撮影して接続します。タブレットのカメラがいまいちピントが合わなくて少し苦労しました。無線 AP への切り替えもセットアップ中に行います。設定が終わると、トラフィックが表示されたり、NEC や Buffalo のファームウェアに慣れた目から見ると新鮮です。

作成される SSIDASUS_XX_2G, ASUS_XX_5G です。XX は MAC アドレスの末尾2桁となっています。WPA-PSA キーも比較的覚えやすいものです。ここら辺、NEC や Buffalo の無線 LAN ルータはもっと長くてランダム性が高いので、考え方の違いを感じます。

WPS で接続設定をしてみるとかなり短時間で設定が終了します。NEC や Buffalo の無線 LAN ルータだと、馬鹿みたいに時間がかかった挙句に失敗するということがよくあったので、少々驚きました。おそらく正しいのは NEC や Buffalo なのだろうな、と思いつつ、短時間ですむのは便利です。

ブラウザからアクセスしてみると、ダークモードをベースとした今どきのビジュアルです。かっこいい UI ですが、無線 AP であまり設定することはないです。追加で設定するのは、タイムゾーンの設定とファームウェアの自動更新くらいでしょうか。NEC や Buffalo の無線 LAN ルータと比較すると、省電力に関する設定がバッサリありません。また、接続デバイスの一覧やWoL 送出を含めすべてのアプリケーションがひとつの画面に収まっているので、パーソナルな用途では便利です。

Web GUI を見ていて気になったのは、WDS の暗号化が WEP のみのサポートだということです。11g ルータでも WPA2-Personal がサポートされていたことを考えると、基本的に AiMesh を使ってくれ、ということなのでしょう。一方で SSH/Telnet 接続をサポートしていたり、WPA/2-Enteerprise RADIUS サーバとの接続もサポートするなど、見た目がオフィスっぽい NEC や Buffalo の無線 LAN ルータにはない謎に高度な機能もあります。また、USB アプリケーションは、NAS (UPnP, iTunes, FTP, Samba)、ASUS EZ Printer、LPR サーバ、ASUS Download Master がサポートされています。これは、ASUSTOR などの高機能な NAS ほどの機能はありませんが、一昔前の NAS 相当の機能は十分賄えそうです。

ASUS RT-AX1800U を設置して、ものの1時間もかからず、さくさくと Buffalo WSR-1800AX4 のリプレイスを終えることができました。WPS の接続性の高さが効きました。NEC や Buffalo の無線 LAN ルータで細かいトラブルに悩まされてはいるけど、GL.iNet のルータで OpenWRT デビューするほど突き抜けてもいない、それでいて、設置場所には余裕がある、という方は、ASUS を置き換え候補に入れてみてもよいのではないでしょうか。

AiMesh ノードの追加

ASUS RT-AX1800U の電波強度は、Buffalo WSR-1800AX4 から多少の改善にとどまったため、引き続き Buffalo WSR-3200AX4S もリプレイスすることにしました。タイミング的に ASUS RT-AX3000 V2 のディスカウント率がいまいちだったため、ASUS TUF Gaming AX4200 を選択しました。

ルータを追加するにあたって AiMesh を構成してみることにしました。AiMesh は、無線 AP のみでも構成できます。Buffalo の EasyMesh は、ルーターモードでないとコントローラが有効にならないため、構成できませんでした。

セットアップは、WAN コネクタに LAN ケーブルをさし、起動を待機。ASUS Router アプリで QR コードを使って接続、AiMesh ノードとして追加を選択して、終了です。ユーザ設定などは自動的に同期されます。

Web GUI は、AiMesh ルーターに統合されます。AiMesh ノードの Web GUI は、開こうとすると AiMesh ルーターの Web GUI にリダイレクトされます。最低限のファームウェアのアップデート、LEDやスイッチの設定は AiMesh ルーターから設定できます。

バックホールネットワークは自動選択されます。AiMesh ノードの WAN コネクタを LAN に接続した状態で再起動すると、イーサネットバックホールに選択されました。特に設定は必要ありませんでした。AiMesh ルーターの AiMesh システム設定にあるイーサネットバックホールモードは、バックホールをイーサネットのみに制限する機能のようです。

なお、AiMesh 構築後、AiMesh ルーターを交換する方法が用意されていません。そのため、プライマリ機を交換する場合は、再構築・端末の再設定が必要になります。

Alldocube iPlay50 Pro - Helio G99 (MT6789) /8GB/256GB

廉価な Android 11 搭載 10.4 インチ Arm CPU タブレットです。

製品諸元

製品仕様

参考までに、Alldocube iPlay40 Pro と比較します。

Features Alldocube iPlay50 Pro Alldocube iPlay40 Pro
Processor MediaTek MT6789V/CD Unisoc Tiger T618
Core 2x ARM Cortex-A76, 6x ARM Cortex-A55 2x ARM Cortex-A75, 6x ARM Cortex-A55
Memory 8GB LPDDR4X 8GB
GPU ARM Mali-G57 MC2 ARM Mali-G52 MP2
Display 10.36" 2000x1200 IPS 60Hz 10.4" 2000x1200 IPS
Touch 10-point 10-point
Storage 256 GB UFS2.1+ microSDXC (up to 2TB) 256GB EMMC + microSDXC (up to 2TB)
Mobile 2G GSM B2/3/5/8 GSM B2/3/5/8
Mobile 3G W-CDMA B1/2/5/8 W-CDMA B1/2/5/8, TDS-CDMA B34/39
Mobile 4G FDD B1/2/3/5/7/8/20/28AB, TDD B38/39/40/41 FDD B1/2/3/5/7/8/20/28AB, TDD B38/39/40/41
Wi-Fi 802.11ac/a/b/g/n 802.11ac/a/b/g/n
Bluetooth 5.2 5.0
Camera Front 5M/Rear 8M Front 5M/Rear 8M
Speaker 2 4
Microphone Supported Supported
Location GPS/Beidou/Galileo/Glonass GPS/Beidou/Galileo/Glonass
Sensor Gravity, Light Gravity, Light
Port USB-C 2.0 (OTG Manager/Host, 18W 充電対応, データ転送) USB-C 2.0 (OTG Manager/Host)
OS Android 12 Android 11
Widevine CDM L3 L3
Battery 6000mAh 6200mAh
Size 248 x 158 x 8.4 mm 248 x 158 x 8.2 mm
Weight 466g 475g
Included Charger(5V 2A) Charger(5V 2A)
Price 22,649 23,920

製品短評

MediaTek Helio G99 (MT6789) を採用する中華タブレットです。

Alldocube は 2023 年のモデルチェンジで、Android は 12 に、 SoC はMediaTek Helio G99 に、ストレージは UFS 2.1 に変更されました。ここら辺は、中華タブレットのトレンドです。また、OTA にも対応し、ファームウェアのバージョンアップでデータが消えなくなりました。他方、WideVine は L3 のまま、スピーカーの個数やバッテリー容量、顔認証は削減されるなど、SoC の更新と価格のバランスをとることに苦心している様子が見て取れます。TECLAST が、モデルチェンジで Unisoc T618 から Unisoc T616 へと動作クロックを落とし、WideVine L1 に対応するなどしたのと対照的です。

ディスプレイパネルは、前モデル(iPlay40 Pro) と同じサイズで同じ解像度なのですが、OS に報告されるパネルサイズが 10.03 インチから 10.38 インチへ、密度が 272dpi から 320dpi に上がったことによって、同じ設定でも文字が大きくなる傾向にあります。

モバイル通信対応バンド

モバイル通信の国内のバンドを Wikipedia をベースに一覧表にまとめてみました。

iPlay 50 Pro Network Band MHz NTT KDDI Softbank Rakuten
3G W-CDMA B1 2100MHz    
  3G W-CDMA B6 800MHz      
3G W-CDMA B8 900MHz      
  3G W-CDMA B19 800MHz      
4G FDD B1 2100MHz  
4G FDD B3 1800MHz
4G FDD B8 900MHz      
  4G FDD B11 1500MHz    
  4G FDD B18 850MHz      
  4G FDD B19 850MHz      
  4G FDD B21 1500MHz      
  4G FDD B26 850MHz      
AB 4G FDD B28 700NHz  
  4G TDD B42 3500MHz  
  5G Sub6 n28 700MHz      
  5G Sub6 n77 3700MHz      
  5G Sub6 n77 3800MHz      
  5G Sub6 n77 3900MHz      
  5G Sub6 n77 4000MHz      
  5G Sub6 n78 3300MHz    
  5G Sub6 n79 4500MHz      
  5G MM n257 27.0GHz      
  5G MM n257 27.4GHz      
  5G MM n257 27.8GHz      
  5G MM n257 29.1GHz      
PassMark PerformanceTest Mobile v10.2.1002
Benchmark Alldocube iPlay 50 Pro Alldocube iPlay 40 Pro
Model iPlay50 Pro iPlay_40H
Baseline BL8066335 BL8066336
System 9,916 6,447
CPU Tests 4,730 3,067
Memory Tests 16,181 14,204
Disk Tests 121,214 20,589
2D Graphics Tests 23,370 24,419
3D Graphocs Tests 21,540 19,121

play.google.com

ファームウェアのオフラインアップデート

ファームウェアのオフラインアップデートは SP Flash Tool を利用します。ファームウェアをオフラインで更新するとすべてのデータが失われるので、購入直後に新しいファームウェアが出ていないかを確認しておくことをお勧めします。更新タイミングは特に決まっていないらしく、2023年は 2, 3, 4 月の後 6 月は二回, 7 月に更新がありました。

更新手順は、ファームウェアのページに掲載されている Tutorial ボタンから参照できます。Authentication FIle (auth_sv5.auth) は必要ありませんでした。

iPlay50Pro(T1030M)_EN_20230628 を適用後、OTA で T1030M_V2.0_20230719 にアップグレードされました。iPlay50Pro(T1030M)_EN_20230719 は CRC エラーが発生しました。

Alldocube iPlay 40 Pro - Unisoc T618/8GB/256GB

廉価な Android 11 搭載 10.4 インチ Arm CPU タブレットです。

製品諸元

製品仕様

参考までに、Amazon Fire HD 10 (2021, 第11世代) と比較します。

Features Alldocube iPlay 40 Pro Fire HD 10 2021
Processor Unisoc Tiger T618 MediaTek Kompanio 500 MT8183
Core 2x ARM Cortex-A75, 6x ARM Cortex-A55 4x ARM Cortex-A73, 4x ARM Cortex-A53
Memory 8GB 3GB
GPU ARM Mali-G52 MP2 ARM Mali-G72 MP3
Display 10.4" 2000x1200 IPS 10.1" 1920x1200 IPS
Touch 10-point 5-point
Storage 256GB + microSDXC (up to 2TB) 64GB + microSDXC (up to 1TB)
Mobile 2G GSM B2/3/5/8 N/A
Mobile 3G W-CDMA B1/2/5/8, TDS-CDMA B34/39 N/A
Mobile 4G FDD B1/2/3/5/7/8/20/28AB, TDD B38/39/40/41 N/A
Wi-Fi 802.11ac/a/b/g/n 802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth 5.0 5.0 LE
Camera Front 5M/Rear 8M Front 2M/Rear 5M
Speaker 4 2
Microphone Supported 2
Location GPS/Beidou/Galileo/Glonass Wi-Fi
Sensor Gravity, Light Accelerometer, Light
Port USB-C 2.0 (OTG Manager/Host) USB-C 2.0 (Data transfer, OTG Manager/Host)
OS Android 11 Fire OS 7 (Android 9)
Widevine CDM L3 L1
Battery 6200mAh 6500 mAh
Size 248 x 158 x 8.2 mm 247 x 166 x 9.2 mm
Weight 475g 465g
Included Charger(5V 2A) Charger
Price 23,920 19,980

製品短評

Unisoc T618 を採用する中華タブレットです。Fire HD 10 より少し気持ち良い、くらいの使用感です。最初から保護フィルムが貼ってあるのですが、保護フィルムの保護シート②をはがす時に一緒にはがれてしまいました。糊がちょっと強力だったようです。また、縦持ちしたときの画面端のタップの感度が少々悪く、3ボタンナビゲーションが操作しづらいことがあります。

本記事は、ほかに特筆すべきことがなかったので、長期間下書きのままで放置していました。備忘のため、公開しておきます。

モバイル通信対応バンド

モバイル通信の国内のバンドを Wikipedia をベースに一覧表にまとめてみました。セラーが Softbank の回線を推奨にしている理由がよくわかります。

iPlay 40 Pro Network Band MHz NTT KDDI Softbank Rakuten
3G W-CDMA B1 2100MHz    
  3G W-CDMA B6 800MHz      
3G W-CDMA B8 900MHz      
  3G W-CDMA B19 800MHz      
4G FDD B1 2100MHz  
4G FDD B3 1800MHz
4G FDD B8 900MHz      
  4G FDD B11 1500MHz    
  4G FDD B18 850MHz      
  4G FDD B19 850MHz      
  4G FDD B21 1500MHz      
  4G FDD B26 850MHz      
AB 4G FDD B28 700NHz  
  4G TDD B42 3500MHz  
  5G Sub6 n28 700MHz      
  5G Sub6 n77 3700MHz      
  5G Sub6 n77 3800MHz      
  5G Sub6 n77 3900MHz      
  5G Sub6 n77 4000MHz      
  5G Sub6 n78 3300MHz    
  5G Sub6 n79 4500MHz      
  5G MM n257 27.0GHz      
  5G MM n257 27.4GHz      
  5G MM n257 27.8GHz      
  5G MM n257 29.1GHz      
PassMark PerformanceTest Mobile v10.2.1000
Benchmark Alldocube iPlay 40 Pro Fire HD 10 (2021,第11世代)
Model iPlay_40H Amazon KFTRWI
Baseline BL8055838 BL8055837
System 6247 5336
CPU Tests 2956 2459
Memory Tests 14104 12723
Disk Tests 20423 23558
2D Graphics Tests 24530 23811
3D Graphocs Tests 18884 16442

play.google.com

ファームウェアのアップデート

本機には、OTA がないため、ファームウェアのアップデートは Spreadtrum Upgrade Tool を利用します。ファームウェアを更新するとすべてのデータが失われるので、購入直後に新しいファームウェアが出ていないかを確認しておくことをお勧めします。更新タイミングは特に決まっていないらしく、2021/9月のあと、2022年は 3, 4, 9, 10 月に更新がありました。

ファームウェアは、iPlay40H のものと同じものを利用します。

更新手順は、ファームウェアのページに掲載されている Spreadtrum Upgrade Tool and Guide.rar の中の Spreadtrum Upgrade Tool Guide.doc を参照します。古い形式の Word 文書のため、開けない場合は、OneDrive にアップロードして Office365 からご覧ください。

ツールのバージョンが上がったのか、少し手順が異なるところがありましたが、おおむね記述の通りで更新できました。

Beelink SER6 - Ryzen 5 6600H/DDR5 8*2GB/NVMe SSD 512GB

6000 シリーズの Ryzen 5 プロセッサのミニ PC です。CPU コアアーキテクチャは Zen 3+、GPU は RDNA 2 と、5000 シリーズからかなり進化しています。また、2023 年6月時点で発表されている 7000シリーズも多くが同じアーキテクチャで、まだまだ現役とも言えます。メモリは 64GB まで増設でき、M.2 2280 NVMe SSD、2.5 インチのストレージを換装・増設できます。ただし、2.5 インチのストレージを増設すると、M.2 2280 NVMe SSD がかなり高温になってしまうため、実質利用できないと考えたほうがよいでしょう。

製品諸元

製品仕様

前作の SER5 と比較します。

Features SER 6 SER 5
Processor AMD Ryzen™ 5 6600H Mobile Processor | AMD AMD Ryzen™ 5 5600H | AMD
Core Zen 3+ Zen 3
Chipset Ryzen SOC / FCH
GPU AMD Radeon 660M (RDNA2) AMD Radeon Graphics (Vega 7)
Memory 2x DDR5 SO-DIMM Slots up to 64GB - 2x Crucial DDR5-4800 8GB 2x DDR4 SO-DIMM Slots up to 64GB - 2x Crucial DDR4-3200 8GB
Storage 1x M.2 2280 NVMe SSD (PCIe 4.0 x 4) Slot up to 2TB - Kingstone N/A 512GB 1x M.2 2280 NVMe SSD (PCIe 3.0 x 4) Slot up to 2TB - Kingstone SNVS500G 512GB
Storage Expansion 1x 2.5 inch 7mm SATA SSD/HDD Slot
TPM 2.0 (AMD PSP 11.0) 2.0 (AMD PSP 10.0)
Wireless Connectivity 1x M.2 2230 WIFI Slot - Intel Wi-Fi 6 AX200 (160MHz), Bluetooth 5.2 1x M.2 2230 WIFI Slot - MediaTek RZ608 WiFi 6E (80MHz supported), Bluetooth 5.2
Video Output HDMI, ② Displayport, ③ USB-C HDMI(4K@60Hz) , ② HDMI(4K@--Hz) , ③ USB-C
Audio Output HDMI , 1x 3.5mm Audio Jack - Front Headphone OUT HDMI , Realtek ALC269 HD Audio (1x 3.5mm Audio Jack - Front Headphone OUT)
Peripherals Interface (Front) 1x USB4 Type-C Port, 2x USB 3.0 Type-A Port 1x USB 3.1 Type-C Port, 2x USB 3.0 Type-A Port
(Back) 1x RJ45 Realtek Gaming 2.5Gb Ethernet Port, 1x USB 3.0 Type-A Port, 1x USB 2.0 Type-A Port 1x RJ45 Realtek Gigabit Ethernet Port,1x USB 3.0 Type-A Port, 1x USB 2.0 Type-A Port
Power DC 19V/6.32A 120.08W DC 19V/3A 57W
System Microsoft Windows 11 Professional Microsoft Windows 11 Professional, Microsoft Windows 10 Professional
Launch Date Dec ’22 Jul ’22
Product Dimension 126 × 112 × 42mm 126 × 113 × 42mm
Package Dimension 192 × 124 × 113mm 213 × 136 × 58mm
Net Weight -- kg -- kg
Gross Weight 1.37 kg 1.03 kg

Beelink 公式の情報がないため現物で確認した情報も含みます。また、AMD 社は Intel 社 に比べて公開情報が少なくて詳しいことを調べるのが一苦労でした。

SER 6600H 開封短評

パッケージは、SER5 にくらべて倍ほどあります。AC アダプタの大きさのためのようです。

同梱物は、マニュアル、交換用サランネット(赤)、AC アダプタ、HDMI ケーブル長短 2本、ネジセット。上部のネットが金属から、繊維ネットに代わっていて、それが交換できるようになっているということに少し驚きがありました。VESA マウントの添付はありません。

AC アダプタは 19V 6.32A (外径:5.5φ・内径:2.5φ・センタープラス・PSE あり)、真ん中に箱があるタイプです。

筐体は金属のようです。上面はサランネット、左右側面は細かいメッシュになっています。左右両側面のメッシュは、上面の CPU とメモリ・ストレージの双方のエアフローを確保するようになっています。作りに安っぽさはありません。

SER6 本体分解短評

メモリソケット・M.2 2280 スロット・2.5' ベイは、すべてマザーボードの下に用意されていて、底面板を外してアクセスします。

筐体の分解は No.2 + ドライバとペンチを使用します。

まず、底面板を止める4か所のネジを外します。ネジはかなりきつく締められています。基本に忠実に+ドライバをしっかり押し付けて回します。回転だけで緩めようとすると、舐めてしまうので注意してください。ネジを外しても底面板は外れません。

SER5 と同様、ケースや底面板の工作精度がよいため、指のひっかかりがまったくありませんし、かなりかっちりはまっていること、ゴムで張り付いていることなどから、外れる気配が全くありません。シリコン製のタブが追加されているのですが、底面板が外れるまで引っ張ると引きちぎれそうです。

次に、添付のネジセットの中から、適当なネジを 2 本とりだし、底面板に取り付けます。ペンチで引っ張るためのとっかかりにするためです。ネジを取り付けたら、ペンチで底面板を左右少しずつ引っ張ります。初回の分解はかなり渋いです。

SER5 と違い底面板は、内部と何も接続していないのでそのまま取り外してください。取り外すと 2.5 インチベイにアクセスできます。

メモリソケット・M.2 2280 スロットにアクセスするには、ファンを取り外します。3本のねじを外します。ストレージSATA 用フラットケーブルとファンの電源ケーブルマザーボードと接続しているため、気を付けてとりはずしてください。なお、M.2 2230 スロットは、M.2 2280 スロットの直下にあります。

組み立ては逆手順です。

SER6 ファースト・インプレッション

大きさ・重量感は SER5 とほぼ同じです。

前面は電源ボタン、CMOS リセット穴、USB 3.0 Type-A x 2, Type-C x 1、ヘッドフォンジャック。背面に HDMI、DIsplayPort、USB TYpe-A 3.0 x 1, 2.0 x 1 です。種類も数も少なめで、筐体のコンパクトさと引き換えにかなり割り切った印象です。

UEFI は AMI クラシック。SER5 と比較するとかなり整理されています。TDP は 35W/45W を選択でき、35W が設定されていました。

CPU は Ryzen 5 6600H で、Zen 3+ コアアーキテクチャの TDP 45W ミッドレンジラップトップ向けのプロセッサという位置づけです。GPU も Vega から RDNA 2 ベースに更新されています。

PCIe にぶら下がっている有線 LAN は Realtek Gaming 2.5 GbE、無線 LAN は Intel WiFi 6 AX200。USB にぶら下がってる Bluetooth は無線 LAN と同じく AX200 でした。

OS のプリインストールは Microsoft Windows 11 Pro バージョン 21H2 です。Windows 11 Professional を Microsoft の手順に従い再インストールした際は、Auto-Detect and Install Driver Updates for AMD Radeon™ Series Graphics and Ryzen™ ChipsetsIntel® Driver & Support Assistant を利用することで、不明なドライバはなくなりました。

初回起動時、物理キーボードのレイアウトが英語 101/102 キーボードです。設定の地域と言語にある、日本語のオプションで日本語 106/109 キーボードに変更してください。その設定を終わるまでは、パスワードなど大事なところで記号を入力することを避けるようにするとよいでしょう。インストール時の Microsoft アカウントでのサインイン設定をしないように注意します。

CPU の排熱は、上方吸気・後方上段排気です。排気は後方やや下向きに吹き付けるらしく、HDMI や USB など背面コネクタに挿入されているケーブル・機器類は熱を持ちがちです。

この筐体は、SER5 ではよく冷えていましたが SER6 ではかなり不足しているようです。

CPU の TDP は 45W と変わりませんが、周辺デバイスが、メモリは DDR4-3200 → DDR5-4800、M.2 PCIe 3.0x4 → 4.0x4、NICGbE → 2.5 GbE、またフロントの Type-C が 3.0 → 4 と性能と共に消費電力が上昇しています。その結果、ACアダプタが 60W クラスから 120W クラスへと増強されています。実質、発熱量が倍、と考えても差し支えありません。そのため、下段にファンを追加していますが、あまり風量もなく増えた発熱をさばき切れていません。

M.2 2280 は待機時でも 65℃、2.5 インチドライブを追加すると 70℃以上になります。ベンチマークをかけると 90℃程度まで上昇することもあり、サーマルスロットリングが発生します。また、いったん温度が上がってしまうと、電源を切らない限りなかなか下がりません。下段ファンは接触型のヒートシンクも兼ねているのですが、焼け石に水のようです。通常品の SDD の動作保証温度は 70℃ までですので、より高い温度でも動作するゲーミング仕様のものなどを利用するようにしたほうがよいでしょう。また、どうも放熱シリコンパッドが柔らかすぎて放熱を阻害している節があります。少し硬いものに変更するか、いっそないほうが熱がこもらず、良いようです。

初期構成 (2023/6)

メモリは、DDR5 SO-DIMM モジュールに選択肢がありません。Crucial by Micron のモジュールを実装されていることもあり、無理をすることもなかったのですが、UEFIGPU メモリを最大 8GB まで予約できるようになったこともあり増設することにしました。

ストレージは、中国の景気減退の影響か、春ごろから NVMe SSD の価格が暴落していました。Western Digital WDS200T3X0E-EC はゲーム用ということなのか動作温度の上限が 85 ℃となっていて安心感があります。

Parts Upgrade Vendor Parts No Price
Base Unit Beelink SER6600H ¥ 55,040.-
Memory 16GB → 64GB CORSAIR CMSX64GX5M2A4800C40 ¥ 28,469.-
M.2 2280 SSD 512GB → 2TB Western Digital WDS200T3X0E-EC ¥ 18,869.-
合計 ¥102,378.-

Beelink SER5 - Ryzen 5 5600H/DDR4 8*2GB/NVMe SSD 512GB

[asin:B0B5XV1YLB:detail]

Intel が第10世代以前の内蔵 GPU をレガシー扱いにしてしまったため、ミニ PC は軒並みその対象になってしまいました。ミニ PC なので、そんなにゲームがしたいわけでもないのですが、なんか業腹なので AMD でミニ PC を物色していたところ、第5世代で、かつ、お手頃なお値段になっていたのがこのモデルです。Beelink 社は 【西川和久の不定期コラム】NUCサイズにRyzen 7、メモリ32GB、ストレージ512GBを詰め込んだミニPC「Beelink SER4」 - PC Watch など、ギーク向けプロモーションを展開している会社です。CPU 換装はできませんが、メモリは 64GB まで増設でき、M.2 2280 NVMe、2.5 インチのストレージを換装・増設できます。

製品諸元

製品仕様


www.youtube.com

Features Specifications
Processor AMD Ryzen™ 5 5600H | AMD
Chipset Ryzen SOC / FCH
GPU AMD Radeon Graphics (Vega 7)
Memory 2x SO-DIMM Slots up to 64GB - 2x Crucial DDR4-3200 8GB
Storage 1x M.2 2280 NVMe SSD (PCIe 3.0 x 4) Slot up to 2TB - Kingstone SNVS500G 512GB
Storage Expansion 1x 2.5 inch 7mm SATA SSD/HDD Slot
TPM 2.0 (AMD PSP 10.0)
Wireless Connectivity 1x M.2 2230 WIFI Slot - MediaTek RZ608 WiFi 6E (80MHz supported), Bluetooth 5.2
Video Output HDMI(4K@60Hz) , ② HDMI(4K@--Hz) , ③ USB-C
Audio Output HDMI , Realtek ALC269 HD Audio (1x 3.5mm Audio Jack - Front Headphone OUT)
Peripherals Interface (Front) 1x USB 3.1 Type-C Port, 2x USB 3.0 Type-A Port
(Back) 1x RJ45 Realtek Gigabit Ethernet Port, 1x USB 3.0 Type-A Port, 1x USB 2.0 Type-A Port
Power DC 19V/3A 57W (adapter included)
System Microsoft Windows 11 Professional, Microsoft Windows 10 Professional
Launch Date Jul ’22
Product Dimension 126 × 113 × 42mm
Package Dimension 213 × 136 × 58mm
Net Weight -- kg
Gross Weight 1.03 kg

Beelink 公式の情報が少ないため現物で確認した情報も含みます。また、AMD 社は Intel 社 に比べて公開情報が少なくて詳しいことを調べるのが一苦労でした。

SER5 開封短評

パッケージは大変コンパクトでDVD ボックスの様な箱で届きます。重量も想像よりもかなり軽いです。スリーブつきの箱はすり合わせもよくできています。少し厚めのボール紙製の箱です。本体とアクセサリーボックスは緩衝材もなくきっちり収められています。パソコンというよりはタブレットスマホの梱包に近い感覚です。本体のパッケージもスマホ的です。コンピュータの梱包、と考えるといささか不安を覚えましたが、本体も軽く、そう壊れるものでもないのかもしれません。

同梱物は、マニュアル、AC アダプタ、HDMI ケーブル 2本、VESA マウントブラケット、ネジセット。

AC アダプタは 19V 3A (外径:5.5φ・内径:2.5φ・センタープラス・PSE不明*1 )、コンセントに直接さすタイプです。

筐体は金属のようです。上面・左右側面は細かいメッシュになっています。左右両側面のメッシュは、上面の CPU とメモリ・ストレージの双方のエアフローを確保するようになっています。作りに安っぽさはありません。

SER 5600H 本体分解短評

メモリソケット・M.2 2280 スロット・2.5' ベイは、すべてマザーボードの下に用意されていて、底面板を外してアクセスします。底面板をはずせばいいだけなので、メンテナンス性はよいと思いきやなかなか難物でした。

筐体の分解は No.1 + ドライバとペンチを使用します。ペンチの代わりに VESA ブラケットでも開けれるかもしれませんが、かなり強い力が必要なので、ブラケットが歪んでしまう可能性があります。

まず、底面板を止める4か所のネジを外します。ネジはかなりきつく締められています。基本に忠実に+ドライバをしっかり押し付けて回します。回転だけで緩めようとすると、舐めてしまうので注意してください。ネジを外しても底面板は外れません。ケースや底面板の工作精度がよいため、指のひっかかりがまったくありませんし、かなりかっちりはまっていること、ゴムで張り付いていることなどから、外れる気配が全くありません。

次に、添付のネジセットの中から、銀色で頭が平らのミリネジを 2 本とりだし、底面板に取り付けます。ペンチで引っ張るためのとっかかりにするためです。ネジを取り付けたら、ペンチで底面板を左右少しずつ引っ張ります。初回の分解はかなり渋いです。

底面板は、SATA 用フラットケーブルでマザーボードと接続しているため、気を付けてとりはずしてください。

2.5' ベイのヒートシンクもまた、精度良く作られていて固定が強く、無理に外そうとするとヒートシンクが折れ曲がってしまいそうだったため、外せませんでした。

組み立ては逆手順です。

NVMe SSD と 2.5' ペイの間にあるゴム*2SATA 用フラットケーブルをうまく挟み込むように注意します。

SER5 ファースト・インプレッション

大きさ・重量感は Intel NUC よりは一回り大きく、ACEPC GK3V と同じくらいで奥行きが少し短い程度です。

前面は電源ボタン、CMOS リセット穴、USB 3.0 Type-A x 2, Type-C x 1、ヘッドフォンジャック。背面に HDMI x 2、USB TYpe-A 3.0 x 1, 2.0 x 1 です。種類も数も少なめで、筐体のコンパクトさと引き換えにかなり割り切った印象です。

UEFI は AMI クラシック。リファレンスをカスタマイズしていないのか、設定項目の数が自作市場のマザーボードでも見たことがないくらい多いです。中には本機では意味がなさそうな項目もあります。

CPU は Ryzen 5 5600H で、Zen 3 コアアーキテクチャの TDP 45W ミッドレンジラップトップ向けのプロセッサという位置づけです。第5世代 Ryzen APU は、ミニ PC ではまだあまり選択肢がありません。

PCIe にぶら下がっている有線 LAN は Realtek、HD オーディオコントローラは Realtek、無線 LAN は MediaTek RZ608。USB にぶら下がってる Bluetooth は無線 LAN と同じく RZ608 でした。なお、RZ608 を含む SER5600H について、本体に技術基準適合証明の表示はありません。

OS のプリインストールは Microsoft Windows 11 Pro バージョン 21H2 です。Windows 10 Professional は、リカバリイメージをサポートからダウンロードし、インストール手順に従いインストールできます。同様にバージョン 21H2 でした。インストール直後はプレーンな構成で、ベンダーのカスタマイズはほぼありません*3。ドライバキットも、グラフィックドライバー*4、ALC269 オーディオドライバーと HSA、LAN、WiFi、Blutooth と ETU813 指紋認証ドライバと、最後だけはよくわかりませんが、おおよそ最低限の内容です。

タスクトレイの AMD Link アプリはストアアプリで、グラフィックドライバーとは無関係にバージョンアップされてしまいます。起動しない場合は、AMD 公式からグラフィックドライバーをインストールしなおすとよいでしょう。

初回起動時、物理キーボードのレイアウトが英語 101/102 キーボードです。設定の地域と言語にある、日本語のオプションで日本語 106/109 キーボードに変更してください。その設定を終わるまでは、パスワードなど大事なところで記号を入力することを避けるようにするとよいでしょう。インストール時の Microsoft アカウントでのサインイン設定を回避するには、ネットワークに接続しないようにします。

CPU の排熱は、上方吸気・後方上段排気です。ミニ PC で起こりがちな熱のこもりが少ないことは本機の美点です。ただし、排気は後方やや下向きに吹き付けるらしく、HDMI や USB など背面コネクタに挿入されているケーブル・機器類は熱を持ちがちです。また、底面は 2.5' HDD/SSD と NVMe SSD の熱でほんのり暖かくなります。上面に物を載せない、左右両側面と背面をふさがない、加熱されて困るものを背面に挿さない、下にファブリックを敷かないなどの注意は必要でしょう。

アイドル時 CPU は外気温 + 20℃、M.2 2280 が +8℃、2.5 インチドライブが +10℃、FFXIVベンチ終了時で + 47℃・+ 10℃・+10℃と、ドライブ類の温度上昇がほぼなく、筐体に余裕のあるデスクトップ PC 並です。Windows Defender のフルスキャン中にコア温度が 90℃を超えていても、NVMe SSD は 60℃を下回っていて安定感があります。アグレッシブな温度制御をするラップトップ用の CPU であることや筐体が金属で大部分がメッシュであることなどが効いているようです。SSD の動作温度をひやひやしながら見なくてもよい、というのは気分的にかなり楽です。

初期構成 (2022/8)

COVID-19 での半導体関連のひっ迫と円安で、全体的にパーツの値段は高めでした。

メモリは、そもそも DDR4-3200 32GB SO-DIMM モジュールの選択肢が少ないです。もともと Crucial by Micron のモジュールを実装されていることもあり、無理をすることもなかったのですが、やはり 16GB では少し心もとなかったので増設することにしました。

ストレージは、商戦期を過ぎて安い 1TB NVMe SSD が払底しているためか、即納では選択肢がありませんでした。Western Digital WDS100T3X0E-EC はゲーム用ということなのか動作温度の上限が 70 ℃となっていて安心感があります。

AC アダプターは、PSE マークがあるものをあらためて調達しました。19V 3A ・外径:5.5φ・内径:2.5φ・センタープラスであればよいので、今回は2013 年以前の NEC パソコンに対応した国内メーカーの 互換 AC アダプタを利用しました。インターネットで仕様を眺めている限り、東芝富士通の互換 AC アダプタも利用できそうでした。

Parts Upgrade Vendor Parts No Price
Base Unit Beelink SER5600H ¥ 69,800.-
Memory 16GB → 64GB TRANSCEND JM3200HSE-32G ¥ 35,600.-
M.2 2280 SSD 512GB → 1TB Western Digital WDS100T3X0E-EC ¥ 14,764.-
AC adapter PSE Elecom ACDC-1965NEBK ¥ 3,570.-
合計 ¥123,734.-

高パフォーマンス (2023/07)

電源プロファイルを高パフォーマンスに設定して、高い負荷をかけ、CPU 温度が 90℃ を越えるとディスプレイが切断されたりします。冷却がおいつかないようです。電源プロファイルは、バランス、または、省電力で使用するのがよいようです。

*1:日本向けは、TDX-1903000"J" とのことです。TDX-1903000"U" は米国向けです。

*2:熱伝導ゴムではないかと思います。

*3:リカバリファイルのアーカイブファイル名から推測するに、およそインストール時のネットワーク接続をサポートするため RZ608 のドライバを追加したものでしょう。

*4:Radeon Software は 21.10.2 で、これはさすがに古くなっています。

Lenovo IdeaPad Duet Chromebook - Helio P60T/LPDDR4 4GB/eMCP4x 128GB

廉価な LenovoChrome OS 搭載 10.1 インチ Arm CPU タブレットです。

製品諸元

製品仕様

参考までに、仕様の近い Amazon Fire HD 10 (第11世代) と比較します。

Features IdeaPad Duet Chromebook Fire HD 10 2021
Processor MediaTek Helio P60T MediaTek Kompanio 500 MT8183
Core 4x ARM Cortex-A73, 4x ARM Cortex-A53
Memory LPDDR4x 4GB 3GB
GPU ARM Mali-G72 MP3
Display 10.1" 1920x1200 IPS
Touch 10-point 5-point
Pen USI supported N/A
Storage eMCP4x 128GB 64GB + microSDXC
Wi-Fi 802.11ac/a/b/g/n 802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth 4.2 5.0 LE
Port USB-C 2.0 (Data transfer, OTG, Power Delivery, DisplayPort™) USB-C 2.0 (Data transfer, OTG ?)
OS Google Chrome OS Fire OS 7 (Android 9)
Widevine CDM L1
Weight 450g 465g
Included Stand, Keyboard, Charger(5V 2A) Charger
Price 28,600 19,980

製品短評

もっぱらゲーム機と化していた Amazon Fire HD 10 (第11世代) を少し使い込んでみようと思い、ゲームをどこかに移そうと Black Friday セールで Amazon Fire HD 8 (第10世代) を 購入してみました。ところが、2GB というメモリのせいか、1280x800 という画面解像度のせいかインストールできないゲームがいくつか出てしまいました。仕方なく再び Android タブレットを物色していたのですが、これ、というものがみつかりません。そんな折、タイムセールで本機を見かけ購入しました。

スペックは概ね Amazon Fire HD 10 (第11世代) と同じです*1。使い勝手の上で大きく異なるのは OS と外部ストレージがないこと、あと、スタンドとキーボードが付属していることです*2

Chrome OS

Chrome OS については、ChromeAndroidLinux コンテナが渾然一体となってる OS です。

いずれかを利用していれば、割とすぐに使い始めることができる環境です。ただ、よくも悪くも細かいところで違うところも多く、たとえば、マルチウィンドウ・マルチタスクが基本であるため、Android タブレットよりは Windows などデスクトップ OS に近い感覚で操作できたりします。マルチディスプレイにも対応しています。とはいえ、バックグラウンドになるとアプリケーションによっては停止してしまったりするので、完全にデスクトップ OS と同じ、というわけではありません。

Android アプリについては Google Play ストアからのみインストールできます。それ以外のストアからの導入は難しい、と考えたほうが良いです。開発者用の機能を有効にすると、APK をサイドロードすることはできます。ですが、DMM Games のようなストアアプリをインストールしても、そこからインストールはできませんでした。

Linux (Beta) は、Linux アプリケーションが利用できることもあり、開発者にはそれなりに便利な環境を構築できます。たとえば、Visual Studio Code は Arm64 用のDeb パッケージを使って簡単にインストールできます。gnome-keyring を追加インストールすれば、設定の同期もできます。

また、Linux (Beta) はコンテナなので、無効にして再度有効化すれば、まっさらのきれいな状態からスタートできます。試行錯誤をして汚くなってしまった環境も、すぐにリフレッシュできます。

なお、Android アプリも Linux (Beta) も、外部ネットワークには直接接続していません。内部ネットワークから NAT 経由でのアクセスになります。

ストレージ

ストレージは、システムが 20GB、Linux (Beta) が 10GB を利用しています。

あとは Andorid アプリをどの程度インストールするか、データをどの程度保存するかによるでしょう。いわゆる Chrome OS として使えば、あまりストレージは必要ないのですが、重量級の Android ゲームなどをインストールするとすぐに埋まってしまうでしょう。

本機は、増設ストレージスロットがないため、足りなくなった場合にどうすればよいのかは検証できていません。

キーボードとスタンド

キーボードはキータッチもよく、スライドパッドも付属しているため、ノートパソコンと同じように使えます。また、接続がポゴピン接続であるため、認識するまでのタイムラグが少ないのと充電しなくてよいのはメリットです。ただ、馴染むまでは指紋というか皮脂のあとが少し目立ちます。

キー配列は、ファンクションキー*3とデリートキーがないこと以外は普通の日本語キーボードです。ファンクションキーの代わりのマルチメディアーキー(?)は、進むキー・戻るキーなど Chrome OSAndroid アプリと組み合わせると便利なキーが配置されています。キーピッチについては、おかしな配列がない分、記号部分が短く設定されていますが、意外にタイプミスは少ない、と感じています。

英数・かなキーは、Japanese と Alphanumeric with Japanese Keyboard という IM そのものを切り替えるのに使います。そこは Windows とは異なるのでなれが必要です。誤って削除しないようにしましょう。

スタンドは、キーボードと同様にマグネットでタブレットに固定します。カバンで持ち運ぶ際は一緒に磁気カードをいれないなど、気をつける必要がありそうです。キックスタンドは、自由な角度に固定できます。一方、スタンド部分を開くのに少々力がいり、カバーが外れそうになります。また、指の引っかかる部分が浅いため、スタンドではなくカバーそのものを曲げそうになったりしました。

スタンドとキーボードを追加した本機の重量は 920g です。ウルトラブックよりコンパクトな分、かなり重くずっしりと感じます。一方、Fintie のキーボード付きカバーをつけたAmazon Fire HD 10 (第11世代) は 1099g であり、それよりは軽いと言えます。

PassMark PerformanceTest Mobile v10.2.1000

ChromeOS 上の Android仮想マシンベースでハードウェアにかかわらず Google kukui というモデルになってしまうようです。

Benchmark IdeaPad Duet Chromebook Fire HD 10 2021
Model Google kukui Amazon KFTRWI
Baseline BL8055844 BL8055837
System 7047 (+32%) 5336
CPU Tests 3267 (+32%) 2459
Memory Tests 12722 (-0%) 12723
Disk Tests 77283 (+228%) 23558
2D Graphics Tests 23891 (+0%) 23811
3D Graphocs Tests 18435 (+12%) 16442

play.google.com

総評

本機は、スペック・価格から想像するより使い勝手が良い、というのが短い期間利用してみての感想です。

他方、Android タブレットとして期待しすぎてはいけない、とも言えます。Chrome OS は、管理された環境で利用することを前提としています。一般的な用途としては十分である一方、Fire タブレットのような自由を求めると不自由を感じるでしょう。

本機のよくわからない挙動

しばらく利用していて気になったところを簡単にメモをしていきます。だいたいうまく動いているのですが、そのせいでたまに動かないと悪目立ちしている、という印象です。

マルチディスプレイ構成関連の動作不良

マルチディスプレイ関連は、動作不良が多いのでまとめておきます。

  • 設定しているにも関わらず、キーボードを閉じてもスリープしない。外部ディスプレイは表示されたままになる。
  • Android アプリケーションを表示しつつ、別のディスプレイで作業をしようとすると、Android アプリケーションが停止する。
    • フォーカスを失うとフォアグラウンドではなくなったと判断しているようです。
  • 接続しているディスプレイは、オフに設定することができない。
    • 外部ディスプレイだけで利用することはできない。一時的にメインディスプレイのみで利用することもできない。物理的に切断する必要がある。
  • ディスプレイを記憶しているアプリケーションがある。
    • だいたいはシェルフを開いた画面で開くものの、稀に前のディスプレイで開くアプリケーションがある。
アプリケーションの動作不良
  • 全般
    • ネットワーク関連で引っかかり進行が停止する事が多い。
    • 月次アップデートのための再起動が回数が多い。スリープしているとアップデートが実行されない。
  • Microsoft リモートデスクトップ
    • 外部ディスプレイに表示しているのに、画面解像度が本体パネルの解像度に引きづられる。
    • マウスの中ボタンクリック・ホイールチルトは認識しない。
    • ブロードキャストによる名前解決はできない。
  • Google Play Store
    • USB Etehrnet アダプタで接続していると、アプリケーションをアップデートしない。
      • WiFi のみでアップデートする」設定がどこかでされているようです。どこかでみたのですが、みつからない。
  • NieR Re[in]canation
    • 概ね動く。動作がどんどん遅くなっていく。スワップの影響か。
    • 部分的にタップへの反応が鈍い。周回に使うのは難しい。
  • DMM GAMES
    • アプリをインストール出来ない。
  • れじぇくろ!
    • 再起動で改善するものもあったり、現象が一定しない。
    • 停止するパターンでは画像が表示されない。ロードで停止する。戦闘が始まらない。ほぼ使えない。

*1:メモリが多いことについては、Chrome 起動時でおよそ 2.5GB スワップを 1GB 弱使用していることから、OS のフットプリントで相殺されているのではないかと思います。Android アプリケーションを起動すると、それなりのスワップが発生し、スワップアウト・スワップインに伴う目に見える動作の遅延も発生します。

*2:付属品の差については、価格差を考えれば当然ではあります。

*3:虫眼鏡のアイコンの Everything Key とマルチメディアキー(?) を同時に押すことで F1~F10 が入力できます。設定で反転することもできるようです。

Chrome OS の Linux(Beta) で Windows 共有をマウントするには

www.google.com

Chrome OS では、Windows 共有をファイルにマウントすることができます。ただ、この機能は、あくまで Chrome OS でのファイルであって、VM である Linux (Beta) の中からこれを参照することはできません。それでは、Linux アプリケーションが使えても、利用用途がかなり限られてしまいます。

Linux (Beta) のカーネルは直接 smbfs をサポートしていませんが、FUSE と smbnetfs を利用して Windows 共有をマウントできます。

この際、注意しなければならないのは Linux (Beta) は NAT ネットワークを介して、外部のネットワークと接続している、ということです。つまり、smb のブロードキャストでの名前解決ができません*1。ローカルなネットワークに他のコンピュータはいないためです。サーバは IP アドレスを指定するか、DNS を外部で設定することになります*2

設定手順

以下、とりあえずうまく行った手順を記載します。細かいことは smbnetfs のマニュアルを確認してください。

1. FUSE と smbnetfs をインストールする

apt で必要なパッケージを導入します。導入したら、現在のユーザに FUSE の利用を許可します。

$ sudo apt install -y fuse smbnetfs
$ sudo groupadd fuse
$ sudo gpasswd -a $USER fuse
2. 設定ファイルを作成する

ユーザの設定ファイルを作成します。設定ファイルには認証情報などを含むため、基本的に自分以外のユーザが読み書きできないようにしておきます。

$ mkdir ~/.smb
$ touch ~/.smb/smbnetfs.auth
$ touch ~/.smb/smbnetfs.host
$ chmod -R go-rwx ~/.smb

なお、mountpoint/domain:user:password@computer というパスにアクセスすれば、特にこれらのファイルの設定は必要ないようです。ただし、コマンドラインからアクセスするとヒストリーファイルに認証情報が残ってしまう可能性があることに注意してください。認証情報については、認証情報ファイルに設定するなど一定の考慮が必要です。

3. 認証情報を設定する

smbnetfs.auth ファイルに認証情報を設定します。
コンピュータを指定して認証を設定することも、指定せずに既定の認証を設定することもできます。

コンピュータ名は IP アドレスを指定してください。ここでは 192.168.0.1 というサーバに対しての認証情報を設定しています。コンピュータ名は省略すると既定の認証情報になります。ユーザ・パスワードはダブルクォートでくくってください。 ワークグループ構成の場合、無理にユーザ名にワークグループを付加する必要はありません。

"#" から始まるコメント行は /etc/smbnetfs.conf の抜粋です。入力しなくて構いません。

~/.smb/smbnetfs.auth

#---------------------------------------------------------------------
# Syntax:
#	auth [computer[/share]] [domain_or_workgroup/]user password
#	auth [workgroup]        [domain_or_workgroup/]user password
#
# Default:
#	auth "user_login_name" ""
#---------------------------------------------------------------------
#auth			"guest" ""

auth 192.168.0.1    "user"     "password"
4. ホスト情報を設定する

smbnetfs.host ファイルに、どのサーバに接続するのか、どうマウントするのか、ということを設定します。

~/.smb/smbnetfs.host

#---------------------------------------------------------------------
# This section describe a static host/group/link.
#
#  host   computer_name		[parent_group=group_name] [visible=true|false]
#  group  group_name
#  link   link_name		link_contents
#  link   group/link_name	[link_contents]
#---------------------------------------------------------------------

host 192.168.0.1 visible=true

group server
link server/disk      ../192.168.0.1/disk
link server/home    ../192.168.0.1/home

host 行で接続するサーバを指定します。
visible を true にすることで マウントポイント/192.168.0.1 というディレクトリが作成され、サーバにアクセスできるようになります。次の link 行を指定するなら visible は false でかまいません。

link 行はシンボリックリンクを作成します。
単純に link 行だけを記述すると、マウントポイント直下にエントリーが並んでしまい、見づらくなるので、ここでは group 行を利用してサーバ名のフォルダを作成しています*3。マウントポイント/server/disk や マウントポイント/server/home のようなディレクトリにアクセスすると、サーバにアクセスできるようになります。

5. マウントポイントを作成する

マウントする前にマウントポイントを作成します。
マウントポイントは任意の空のディレクトリで構いません。ここでは ~/windows というディレクトリを作成しています。ただし、他のユーザがあなたの認証情報を利用してサーバにアクセスできないよう設定を忘れないようにしてください。

$ mkdir ~/windows
$ chmod go-rx ~/windows
6. マウントする

smbnetfs コマンドでマウントします。
~/windows/server/disk ディレクトリや ~/windows/server/home ディレクトリにアクセスすると、Windows 共有が参照できるようになっているはずです。

$ smbnetfs ~/windows
7. アンマウントする

利用を終えたら、fusermount コマンドでアンマウントしておきましょう。

$ fusermount -u ~/windows

参考文献

www.reddit.com

*1:当初、mDNS での名前解決はできない、と書いていたのですが、 sudo apt install avahi-daemon libnss-mdns で名前解決については問題なくできることを確認しました。

*2:DNS を設定する際は、smbnetfs はサーバ名として FQDN を受け入れないためさらに注意が必要です。デフォルトドメインは /etc/resolve.conf を確認してください。未検証ですが hosts ファイルに設定するほうが簡単かもしれません。

*3:本来は、host 行の parent_group 属性と紐づけて指定するのが正しいスタイルだとは思うのですが、この設定のようにエイリアスを設定するような形ではうまく設定できませんでした。